小型無線加速度センサ(WAAシリーズ)及びAccelViewrシリーズのQ&A

小型無線加速度センサ(WAAシリーズ)及びデータ収集ソフトウェア(AccelViewrシリーズ)に関してのQ&Aです

=== (以下本文) ===

【センサ】: 本製品:小型無線加速度センサ WAAシリーズ
【ホスト】: 本製品を複数接続する計算機

.◆≪ センサについて ≫
————————————————————————–
Q 【接続実績のあるBluetooth機器を教えてください】
A 動作確認済み製品は、以下の環境となります
Windows環境: Planex社BT-Mini2EDR,BT-O1UDEでの動作実績(注1)
Windows Mobile: hTc社製携帯電話(ただし1対1接続)
KDDI(au)携帯電話: A5504T、W31T(ただし1対1接続)

注1:MicroSoft製のBluetoothドライバを使うと動作しません。東芝系のBluetoothドライバならば動作するようです。PC内蔵型のBluetoothドライバについてはメーカの提供するドライバがどちらの系統であるかに依存します。

注2:東芝製Bluetoothスタックのインストール方法
①他社製スタックが入っている場合、アンインストールします。
②Bluetoothドングル(USB)を取り外します。
※ 内蔵の場合、デバイスマネージャよりBluetoothデバイスを停止させて下さい。
③東芝のホームページよりBluetoothスタックをダウンロードしてきます。
http://www3.toshiba.co.jp/assistpc/download/modify/btstack/v6/index_j.htm
・ページ下の『ダウンロードモジュール』より『bt61010.exe』をダウンロード。
④ダウンロードしたドライバを解凍し実行します。
⑤途中でBluetooth USBの挿入を促されたら、Bluetooth USBをPCのUSBポートに差し込みます。
※ 内蔵の場合、ここでBluetoothデバイスを認識させて下さい。
————————————————————————–
Q 【無償配布されているWindows用データ収集ソフトウェア以外でもデータを取得することは可能でしょうか】
A 可能です。基本的には各ドライバが提供する仮想シリアルポートを介して、センサとホストが通信します。モデムのATコマンドのようなコマンドインタフェースが用意されていますので、時刻設定や加速度データ送信などのコマンドをホストから発行するだけでデータが取得できます。
————————————————————————–
Q 【独自に開発するシステムに埋め込みたいのですが、どのようにすればいいですか】
A 本センサは完全にワイヤレスで駆動できますので、電波さえ遮蔽しなければどのような環境にでも埋め込むことができます。また本体側面に用意してある充電ポートには、充電端子以外にA/D等の拡張I/Oが用意されておりますので、こちらに適当なセンサを接続して頂ければ、簡易無線I/O装置として利用頂けます。  ただし、ケースを開けて使用する場合には、電波法の関係で改めて技術認定を取得する必要があります。
————————————————————————–
Q 【最大7個のセンサのセンサを同時に測定できるとのことですが,センサの同期はどのように行われるのでしょうか】
A 各センサにはそれぞれソフトウェアタイマーが実装されており、センサ内で加速度を計測したタイミングでそのタイマー値を使ってタイムスタンプを加速度データに追加します。なお、この機能を利用して絶対時刻でのタイムスタンプを取得するためには、電源投入後に時刻設定コマンドにて現在時刻を設定する必要があります。同時に使うセンサにそれぞれ時刻設定をすることで、複数のセンサの加速度計測を見かけ上同期させることができます。
————————————————————————–
Q 【他の計測機器や通信機器から影響を受ける事はないのですか】
A Bluetoothが使用している2.4GHz帯域の一般的な制約として、同帯域の電波を発する機器(無線LANや電子レンジ)等のそばで使用した場合、その影響を受ける場合があります。
————————————————————————–
Q 【センサの通信距離はどれぐらいですか】
A WAA-001:Bluetooth Ver1.2 Class2対応ですので、約10mです。
WAA-004:Bluetooth Ver2.0+EDR Class2対応ですので、約10mです。
WAA-006:Bluetooth Ver2.0+EDR Class2対応ですので、約10mです。
————————————————————————–
Q 【加速度はどれ程の精度で測定できるのでしょうか】
A WAA-001:現状で最大計測範囲3G、検出分解能8.8mGですが、保存データは、1mG未満切り捨てとなります。加速度センサの情報は、こちらPDFを参照下さい。
WAA-004:最大計測範囲10G(モード切り替えにより2.5G、3.3G、6.7Gへ変更可能)、検出分解能6.1mg(2.5G)
WAA-006:最大計測範囲4G(モード切り替えにより2Gへ変更可能)
————————————————————————–
Q 【センサから出力されるデータは実効値ですか、ピーク値ですか】
A センサが検出した値がそのまま出力されています。コマンドのパラメータにより平均値を出力することも出来ます。
————————————————————————–
Q 【複数のセンサの値を取得する場合、時間の誤差はどれぐらいでしょうか】
A 各センサの絶対時刻のカウント精度は、出荷時に個体毎に調整を行っており、8時間動作で1msec程度の変動しかありません。しかし、ホストからの時刻設定コマンドはBluetoothを使っており、この経路の通信時間が必ずしも一定となっていないために、この段階でずれが生じる恐れがあります。経験的には10-100msecの誤差がこの段階で生じます。
————————————————————————–
Q 【加速度の他に角速度も測定したいのですが、角速度センサを搭載することは可能でしょうか】
A 本体内に角速度センサ(ジャイロ)を搭載することはできません。しかし、拡張コネクタには電源と汎用のA/Dコンバータ端子が用意されており、また、この端子の電圧を加速度同様に読み取るコマンドが本製品内に用意されておりますので、ユーザーの責任において角速度センサ素子をこちらの端子に接続してホストで読み取ることが可能です。なお、当然ながらアンプ等を介す必要があります。 また、特注対応となりますが特定の角速度センサ(ジャイロ)での対応実績がございますので、個別に弊社までお問い合わせください(info@wireless-t.jp)。
————————————————————————–
Q 【拡張I/Oはどのように使用できますか?また、使用方法は公開されていますか】
A 個別に弊社までお問い合わせください(info@wireless-t.jp)。
————————————————————————–
Q 【加速度センサの適用例を教えてください】
A 加速度センサを使うと、対象に係る加速度が計測できます。この情報は対象の動き、あるいは、動きが緩慢な場合は重力加速度の成分から姿勢が計測できます。さらにこの一次情報を使って、動作の認識や状態を推定するアプリケーションが提案されています。
————————————————————————–
Q 【納期はどれぐらいですか】
A 在庫があれば、ご発注のご連絡後2~5営業日で納品させていただきます。
————————————————————————–
Q 【何個から販売していますか】
A 1個から販売しております。
————————————————————————–
Q 【購入したい場合はどうすればいいですか】
A 弊社までお問い合わせください(info@wireless-t.jp)。
————————————————————————–
Q 【センサのLEDの点滅パターンが違うのですが】
A 起動直後は緑色で、500ms間隔で点滅します。
接続されると青色点滅になります。
settコマンド発行後、1秒間隔で点滅します。
バッテリが不足すると、赤色点滅になります。
————————————————————————–

Q 【Planex社USBアダプタ(Bluetooth内蔵PCなど)から本製品への接続時にPINコードの入力を要求されるのですが】
A 本製品では、接続の簡易性を優先しPINコードの設定を行っておりません。詳細は、小型無線加速度センサの取扱説明書5.4項「Bluetooth 接続時の認証」を参照願います。
————————————————————————–
Q 【WAA-004、WAA-006でstatコマンドが使えず、バッテリ状態が取得できません。】
A WAA-001で使用できたstatコマンドですが、WAA-004とWAA-006では状態取得のコマンド stat は削除されました。代わりに各状態取得用のコマンドが追加されました。
バッテリ状態を取得するコマンドは batt となります。
————————————————————————–

Q 【トリガ機能を使用した場合、データが受信されません】
A トリガコマンドはその性質上、センサからPC等に対して新たに接続されます。
センサデータの送信先がPCで東芝Bluetoothスタックの場合、デフォルトではCOM7に対して接続されるのでCOM7に対してデータ取得を行う必要があります。また環境によってはCOM7以外の場合もあるので、COM7で受信されない場合はターミナルソフト等でどのCOMポートに送信されているか確認してお使いいただく必要がございます。
————————————————————————–
Q 【センサの取扱で注意するところはありますか】
A 本センサは人体へ取り付けて加速度等を計測する目的で作成されたものですので、落下等直接的な強い衝撃を与えないような使い方をお願い致します。
————————————————————————–
Q 【メモリはどのくらい記録できますか】(WAA-004、WAA-006)
A WAA-004:
メモリ容量はトータル175,000データ分あり、送信間隔によって記録時間が異なります。
仮に出力間隔が1ms(1000Hz)の場合、計測時間は2分55秒になります。
10ms(100Hz)の場合、計測時間は29分10秒になります。
WAA-006:
メモリ容量はトータル105,000データ分あり、送信間隔によって記録時間が異なります。
仮に出力間隔が10ms(100Hz)の場合、計測時間は17分30秒になります。

エントリ :1回の計測を行う毎に使用されるブロックの集合体(1~30ブロック)
ブロック :3,500レコードを1ブロックとする
レコード :コマンドに関係なく出力される〝コマンド+時刻+計測値″を1レコードとする。
※制限事項
出力可能エントリ数 :最大8エントリ( 1エントリで30ブロック使用可)
メモリブロック数 :30ブロック(1ブロックは3500レコード)
1ブロックの保存件数 :3,500レコード

※3軸取得の場合も6軸取得の場合も同じです。

◇WAA-001について

————————————————————————–
Q 【3Gまで測定できるということですが、それ以上の加速度を測定したい場合はどうすればいいですか】
A 加速度センサとして10Gまで計測可能な素子が存在します。センサ素子レベルではピンコンパチブルですので、素子を載せ変えることは技術的に可能です。特注対応となりますので個別に弊社までお問い合わせください。
————————————————————————–

◇WAA-001とWAA-004について

————————————————————————–

Q 【Sniffモードとはどのようなモードですか】
A sniffモードとは、Bluetoothの消費電流低減のための技術です。
Bluetoothでのスレーブデバイスとマスターデバイス間の通信のタイミングは、マスターデバイスからパケットを送信し、そのパケットを受信したタイミングでスレーブデバイスがパケットを送信する、となっています。これはマスターデバイスがデバイス間の通信時のタイミングを管理している事を示しています。

通常(非sniffモード)時であれば、スレーブデバイスは常に受信回路をアクティブにしてあり、任意のタイミングでマスターデバイスはパケットを送信出来るようになっています。

ところがsniffモードになると、マスターデバイスとスレーブデバイス間でパケットの送受信のタイミングをネゴシエーションによって決定し、マスターデバイスがパケットを送信する(スレーブデバイスが受信する)タイミングが決定されるため、スレーブデバイスは常に受信回路をアクティブにする必要がなくなります。そのため、スレーブデバイスはネゴシエーションによって決定した期間のみ受信回路をアクティブにすれば良くなるので、受信回路をネガティブにする期間がとれ、消費電流を低減することができます。

sniffモードで必要となるパラメータは、受信回路をアクティブにする時間とネガティブにする時間の二つです(正確には前述した4つのパラメータでこれらが決定されます)。ここで重要な事は、受信回路がアクティブになっている時間しかデータを転送出来ない、ということです。つまり、受信回路がネガティブになっている時間にマスターデバイスがデータを送信したくなったとしても、アクティブな時間になるまで待たなければならないことになります。スレーブデバイスもほぼ同様で、データを送信したくともマスターデバイスからパケットを受信しなければデータを送信することができません。

つまり、送信するデータ量に対して最適なパラメータが変わってきます。大量のデータを転送するような場合、sniffモードにする必要はないかもしれません。一方、少量のポツポツとしたデータ量であれば消費電流を低減できる(受信回路が寝ている時間が長い)sniffモードの利用が考えられます。

そのため、当コマンドでは、受信回路をネガティブにする時間を調整できるように 1~7までのモードを用意しています。基本的にモードの数値が若い方がより大量のデータ転送に適していますが、消費電流の低減度は低くなります。逆に大きな数値のモードでは長時間受信回路がネガティブになるので消費電流は低減しますが、転送出来るデータ量は少なくなってしまいます。
※WAA-006は自動で設定されます。

————————————————————————–

◇WAA-006について

————————————————————————–
Q 【WAA-006のレンジ設定は±2と±4Gとのことですが、設定を変更すると計測可能な分解能も代わるのでしょうか】
A 変わります。
————————————————————————–

◆≪ データ収集ソフトウェア(AccelViewerシリーズ)について ≫
————————————————————————–
Q 【AccelViewerシリーズの推奨動作環境は何ですか?】
A OSはWindows XP以降(Windows7での動作検証未完了)で、CPUクロックは2.0GHz以上(最低1.5GHz)を推奨としています。
(CPUクロックは状況により変動する場合があります。)
————————————————————————–
Q 【AccelViewerの各センサー出力の単位について】
A 加速度は、画面上・CSVファイルともにmGで出力されています。
角速度は、画面上が1.0dps、CSVファイルには0.1dpsで出力されています。
————————————————————————–
Q 【AccelViewerのCSVファイルのフォーマットについて】
A 基本的にコマンド一覧に記載の応答と同じ順番です。
例)
加速度・角速度単独取得の場合 : [コマンド名], ,HHMMSSmmm, X軸, Y軸, Z軸
加速度・角速度同時取得の場合 : [コマンド名], ,HHMMSSmmm, 加速度X軸, 加速度Y軸, 加速度Z軸, 角速度X軸, 角速度Y軸, 角速度Z軸
————————————————————————–
Q 【WAA-001とWAA-006を混在させてデータ取得することは可能ですか】
A AccelViewerで混在させてデータ取得することは可能ですが、WAA-001の機能に制限されます。
————————————————————————–
Q 【AccelViewerで発行しているコマンドはなんですか】
A AccelViewer(ノーマル)とAccelViewerHyperでは senb(加速度) コマンドを使用しています。
AccelViewerHybridではsenb(加速度) とagb(加速度&角速度) とgyb(角速度) コマンドを選択して使用します。
————————————————————————–
Q 【受信したデータが一定間隔で抜けています】
A 『HHMMSSmmm』フォーマットで取得した場合、60進数で出力されるので59秒から0秒になった際、40秒の抜けが発生したように見えます。
例) 加速度を10ms間隔で取得
senb 144159990 556 2032 -440 68 -204
senb 144200000 556 2032 -440 68 -204
上記例の場合、14:41:59.999から14:42:00.000なので時刻データとしては問題ありませんが、エクセル等でグラフ化する場合、40000msの抜けがあるようにみえてしまいます。
————————————————————————–

=== E. & O.E. (本文終わり) ===